マルフート

第 VII 幕 — 王冠第 72 節/全 74 節

王座

王座は、王が座る前は空である。

その空虚は失敗ではない。

それは適性である。

その王座を他の何かで満たせば、それはもはや王座として仕ええない。

これはおそらく、マルフートの最も明快な像である。

彼女は王のかたちに空である。

彼女の無には形がある。

彼女の受容性は方位づけられている。

彼女は見境なくすべてに開かれているのではない。

彼女は上に向かって開かれている。

だからこそビトゥールが重い。

入ってくるものを何でも受け取る器は、聖なる受容性ではない。

マルフートは契約に従って受け取る。

彼女が王座を有するのは、誰を待っているかを知っているからである。